採択課題

研究代表者
自治医科大学
教授
大森 司
Tsukasa Ohmori
採択課題名

革新的な血友病Aに対する遺伝子治療薬の創出

プロジェクト概要

本提案では、血友病Aに対する画期的な遺伝子治療薬の開発によるスタートアップを目指す。血友病Aは血液凝固第VIII因子(FVIII)の遺伝的欠損による出血性疾患で、対象患者は国内だけでも約3千名が存在する。我々は、高活性、高分泌の改変FVIIIを開発し、上市されたアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター遺伝子治療薬の1/30以下のベクター用量で治療できる可能性を見出した。本研究では、この改変型FVIIIについて、先行技術・市場調査を行い、事業性を確認した上で起業を目指す。

製品・サービスの概要(申請時)

我々は、FVIIIの細胞内貯留を減じる高発現、かつ高活性型の改変体を開発した。この改変体を用いると、低用量のウイルスベクターで治療が可能になる。実際に上市された薬剤と同様のAAVベクターをもちいた場合、カニクイザルで1/30量のベクター量でも治療域を超える血中凝固因子活性が得られる。ベクター量が1/30以下となることで、遺伝子治療の安全性が担保されるだけでなく、ベクター製造にかかるコストも減じることができる。

SU設立に向けた活動計画(申請時)

IJIE-GAPファンドプログラムで、改変型FVIIIを用いたブタでの追加実験、および知財調査を行う。事業性を確認した上で、年度内のスタートアップ設立を目指す。