採択課題

研究代表者
信州大学
特任准教授
大塚 隼人
Hayato Otsuka
事業推進課機関
Beyond Next Ventures株式会社
採択課題名
巨大CO2排出削減能(1億トン/y)をもつ超高速気体分離膜モジュール/オンサイト酸素富化装置の開発
プロジェクト概要

本課題では超高速気体分離膜モジュールを開発し、省エネルギーかつ低コストに富化酸素を製造し、工業炉にオンサイトで富化酸素を供給して化石燃料の使用量とCO2排出削減を目指す。超高速気体分離膜「グラフェン包接ゼオライト分離膜」はゼオライト結晶をグラフェンで包接した構造で、ゼオライトとグラフェン間の2次元の空間を利用して、従来の分離膜より1000倍以上高速に窒素と酸素の分離が可能である。本技術は工業炉のみならず、アスリート用の富化酸素吸入機への応用やPSA吸着分離や深冷分離法との組み合わせによる省エネ効果も期待できる。さらに水素やアンモニア燃焼にも適用できるため、水素社会にも対応可能な技術であり、これらの用途への応用検討も進めていく。
製品・サービスの概要(申請時)
超高速気体分離膜による富化酸素製造では、高分子分離膜では課題であった富化酸素の製造量の課題をクリアし、安価に大量の富化酸素を製造できる。また従来の深冷分離法やPSA法に比べて富化酸素の製造エネルギーとコストが圧倒的に低い革新的な技術である。超高速気体分離膜モジュールは低い圧力での駆動ができるので、ポンプの小型化が可能で、消費エネルギーが抑えられるとともにデバイスの小型化が可能である。そのため導入コストも抑えられ、工業炉へのオンサイトでの富化酸素を供給を実現する。
SU設立に向けた活動計画(申請時)
初年度には分離膜モジュールのプロトタイプを完成させ、2026年度中の小・中規模の工業炉での実証実験開始を目指す。
また海外展開を見据えて海外市場の調査や国外での特許取得をすすめ、STEP2の終了時のSU設立を目指す。